2010年6月16日、欧州委員会はEU域内におけるオーガニック・ワイン醸造規定の提案を取り下げた。加盟国と委員会の間での折り合いがつかないための結論だった。
最近の報道発表の中でIFOAM EUグループは、信頼性のあるオーガニック規定に対するCiolos委員長の取り組みを評価する一方で、オーガニック・ワイン造りの規則を完成させる機会を失ってしまったことを嘆いている。IFOAM EUグループは、近い将来に委員会側と加盟国側双方にとっての解決にこぎつけるよう、両者との公開協議にかかわることを申し入れているところだ。
「我々は、現在進行中の食料・農業政策の見直しにおいてオーガニック食品・農業が果たす重要な役割に、Ciolos委員長が深い関心を寄せつつあることを大変ありがたく思う。オーガニック食品・農業の役割は、今や2013年以降の共通農業政策(CAP)の見直しにおいて非常に重要だ。」とIFOAM EUグループ理事長のChristopher Stopes氏は言う。「さらに、委員会と加盟国ならびにオーガニック部門が費やした努力と、妥協点を見つけることの難しさのどちらも認められねばならない。しかしまた、提案が最終的に合意に至らず、成立する機会を逃してしまったのは残念なことだ。」
「加盟国の大半とオーガニック部門が支持した妥協案であれば、実現可能だっただろう。その案であれば、オーガニック・ワインの化学処理に関する規則を加えることでオーガニック・ワイン醸造既定の規則を完全なものにしただろう。」とIFOAM EUグループ副理事長のThomas Dosch氏は付け加えた。「許可される添加物と処理補助剤の項目と、ある二段階の工程でのワイン醸造学的な処理と亜硫酸塩量を減らすことで、オーガニックの原則を損なわない規則をまだ保証できていただろう。オーガニック・ワインに新しいオーガニックEUのロゴを表示することで、消費者に明確な付加価値を与えていただろうに。」
IFOAM EUグループは、欧州委員会と加盟国に近い将来いっしょに解決策を見つけるよう強く促している。その目的は、すべての伝統あるワイン生産地が信頼性のあるオーガニック・ワイン製法に基づいたオーガニック・ワインを生産できるような、EUにおけるオーガニック・ワイン造りの規則を定めることである。
IFOAM EUグループについて
IFOAM EUグループは、EU加盟27カ国とEFTA(欧州自由貿易連合)加盟国内のIFOAM(国際有機農業運動連盟)に加入する300以上の団体を代表する。加入団体には、消費者・生産者・製造業者団体、研究・教育・助言団体、認証機関およびオーガニック関連企業がある。
翻訳:ボランティア 後藤健介さん)