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第2部ヨーロッパにおける認証について

ECOCERT(エコサート)
Andreas KRATZ



  1. ヨーロッパオーガニック認証団体エコサートについて

    エコサートはフランスを本社とするオーガニック製品認証団体です。EU域内ではベルギー、ドイツ、ポルトガル、イタリア、スペインに独立法人があり、またEU以外の国ではカナダ、コロンビア、モロッコ、トルコ、中国、マダガスカル、チュニジアに駐在員事務所を置き、ドイツにあるエコサートインターナショナルにおいて一括管理しています。駐在員事務所システムをとっているのは、EU圏外においてもEUの規定に則った認証を行い、各国独自の基準で認証が行われることを防ぐためです。 認証を行っている国は50カ国以上に及び、恐らく世界最大の認証機関と言えるでしょう。

    ● エコサートの例で見るオーガニック関与者の伸び
    エコサートフランスによって認証が行われている生産者ならびに加工者数は最近の5年間で約2,4倍に伸びており、1999年段階で約9,000件近くに達しています。エコサート全体ではその数は30,000件以上になります。


  2. オーガニック食品の認証を統制する意義

    オーガニック食品の認証を統制する最大の目的は以下の2点です。

      ●消費者の保護
      ●不正な高価格の防止

    消費者保護とは、ラベルに信頼性をもたせることで、消費者が安心して、希望に適った製品を選択できるということです。また2点目はオーガニック業界そのものを守るというものです。即ち、オーガニックでない製品をオーガニックだと謳うことによって、価格を吊り上げ儲けを得るという悪質な手段を防ぐことができます。

    さらに、広域においては環境保護という大目的があります。言うまでもなく、化学肥料や農薬を使用しないこと、リサイクルに努めることなどオーガニックの精神は環境保護につながります。


  3. ヨーロッパのオーガニック認証団体について

    EU域内には約100程度の認証団体が存在します。それらの団体は全て国によって正式に認められた機関ではありますが、加盟国によって位置付けに違いがあり、公的団体、民間団体、その中間に位置する団体が存在します。

    例)公的団体→デンマーク   民間団体→ドイツ(25団体)、
    ベルギー(2団体)、オーストリア(8団体)など

消費者は普通、生産現場において何が起こっているのか、容易には知ることができません。我々認証団体の最大の功績は、先ほども目的を説明する点で少し触れましたが、こうした消費者と生産者の間にあった大きな隔たりをぐっと近づけたこと、即ち消費者⇔生産者の信頼関係を生み出したということです。そして別の観点から見れば、認証制度の結果として信頼関係が生まれたという事実こそ、認証制度がうまく働いている、有効であるという何よりの証拠だと言えるのではないでしょうか。

  1. 認証の仕組みと実際の運営

    実際に認証するためにどういった手続が踏まれるのか、エコサートの場合について、ごく簡単に紹介します。

  1. 認証までのステップ

    1. 申込(以下は申込書の記載内容)

      1. 名前、住所など
      2. 認証希望製品
      3. 耕作時期と収穫時期
      4. どこで作られるか/集荷されるか
      5. どこで洗浄されるか/加工されるか
      6. どこで保管されるか(どこから輸出されるか
      7. オーガニックの生産・認証に際して直面しそうな主な障害
      8. EU指令の規定について精通しているか
      9. 以前にオーガニック認証されたことはあるか
      10. どういったサービス/情報を希望するか
      11. 家屋や家畜小屋、オーガニック/非オーガニック領域、加工/貯蔵場所に至る農場地図
      12. 農地について 過去3年及びそれ以前について、面積/収穫高/使用肥料/使用農薬/種子取扱
      13. 家畜について  構成/数/小屋面積/放牧地面積/飼料の主な内容/そのパーセンテージ(年平均)/品質(自作、オーガニック、転換中、非オーガニック)/補助食品、添加物

     2. 契約並びに費用見積り
     3. 検査
     4. 認証並びに報告
     5. 支払い
     6. 処理並びに事後徹底

    まずは申込から始まります。ここで一番大切なことは、こうしたオーガニック認証を受けるという行為は、決してどこかから強制されているのではなく、生産者や加工者といったそれぞれの事業に属している企業、もしくは個人が自らの意思でオーガニック認証を希望するのだということです。
    見ていただいてもお分かりの通り、申込書の記載内容は極めて技術的で細部にまで及んだ内容となっています。これに記入するにはまず、従事者がその耕地、生産品、加工品からその販路に至るまで過去の歴史も含めて非常に詳細に知っていることが条件となります。

    この申込書に漏れなく記入された上で、次のステップである費用見積りに移り、双方に問題がなければ契約となります。契約が成立すると実際の検査が開始されます。検査については以下でもう少し詳しく説明します。検査の終了後、レポートとともに、全項目について基準が満たされていれば認証がなされます。支払いはこの認証がなされたときに要求されます。支払いが完了すると証明書が発行されます。認証後も、例えば輸出に際して取引証明するなど、様々なフォローも行われます。


  2. 一般的な検査プログラム

    続いて前項の認証ステップ3にあたる、検査のプログラムについての紹介です。

      1. 検査対象分野
      2. 徹底的な検査 1)圃場構成
               2)製品の準備、貯蔵、保管、加工過程
               3)輸出入構成
      3. 抜き打ち検査
      4. 追加検査
      5. 分析


    まず検査対象分野というのは、農製品に関わる全てにわたります。つまりあらゆる製品準備段階から貯蔵、保管、加工など全てが含まれます。圃場構成としては、農地図、収穫高などを記した土地の描写、オーガニックへの転換日と転換後の期間、施肥記録、種子管理、簿記、貯蔵、広告など詳細に渡った項目について検査されます。これらの検査は全て立ち入り検査ですが、書類ベースと実際の現地調査の2点が行われ、単なる検査日当日だけの状態ではなく、それ以外の日の様子も把握していきます。以下加工過程や輸出入に関しても同様に、EU指令により定められた基準が満たされているかを確認する様々な項目について徹底的な検査が行われます。
    上述の、年に一度の検査に加え、抜き打ち検査や一度の検査では十分であった場合の追加検査、またそれが必要とされれば一部を持ち帰り認められた研究機関による分析なども行われます。


  1. その他

    実際に認証するためにどういった手続が踏まれるのか、エコサートの場合についてごく簡単に紹介します。
  • 能力
    認証団体には、上記に述べたような検査を適確に、正しく行うための能力が要求されます。
  • 信頼性
    認証団体は、それが本当に信頼のおけるものかを常に求められています。即ち絶対の信頼性が必要になります。
  • 公正さ
    認証団体には、外部からのいかなる影響も受けないという公正さが要求されます。
  • 監査
    認証団体自体も、外部の公に認められた機関・専門家による監査を受けています。
  • 内部監査
    上記の外部監査に加え内部監査もしっかり行っています。


    内部監査の一例として、エコサート社長のVIDAL氏の話を紹介しましょう。 彼はオーガニック精神を自分の肌で感じるため、小規模ながら自分のオーガニック農園を経営しています。彼が自分の畑のオーガニック認証を受ける際、その認証をエコサートに依頼せず、他の認証機関に依頼して認証を得ています。エコサートに依頼したなら内部者であるため、きちんとした検査が行われずに認証される可能性を考慮しての判断です。

    EUにおける認証システムは上記の5点をしっかりと満たしており、これまでの9年間の経験が安全性を保証しています。また事実それが美味しい、ということも保証されてきています。ヨーロッパで権威のあるホテルやレストランなどにおいて、シェフたちがこぞってオーガニック食品を使用するようになってきたのがその証であるといえます。このように消費者の期待にこたえ、それを提供するオーガニック従事者の満足度も高めていくのが認証団体の役割なのです。

    1. EUオーガニック認証制度に関する資料収集、翻訳、整理
    2. 資料・パンフレットなどの制作、出版
    3. 展示即売会・講演会の企画・実施
    4. 報道機関、オピニオンリーダーに向けた広報活動
    5. 協会のホームページによる資料公開
    6. 常設店の設置を支援 (小売、レストランなど)
    7. 随時イベントの開催


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