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● オーガニックの需要、ヨーロッパは成熟期に、北米は成長期

先般カナダにて開催されたIFOAM(オーガニック農業推進のための国際連盟)の第14回国際会議にて、イギリスの流通業者である“セインズバリー”のオーガニック製品部門マネージャー、Duxbury氏は以下のような発表を行った。ヨーロッパにおけるオーガニック製品の需要は、「信じられないくらい」早期の段階で、減速しているというのだ。

氏は、需要の拡大は年率15%に減速し、そのお陰で需要と供給のバランスが取れるようになったと述べている。しかし一方で、加工業に限ると、現在過剰供給に直面しているとも指摘した。さらに氏は、スーパーマーケットには認証プログラムの世界的な調和が必要だと強調している。それによって、供給物が世界的な基準に基づいていると確信することができ、スーパーマーケットとその供給者の誠実な関係が維持できるからである。

上記の発表の一方で、カナダ最大のスーパーマーケット“ロブロウズ”の認証製品部長Casey氏は、同スーパーマーケットにおいて、オーガニック製品を購入したかったけれど、健康食品店で見かけるものは高すぎて、購入できない、もしくは支払いたくなかったという消費者を中心に、需要の拡大に拍車がかかっている。

Casey氏によれば、現在のところ、オーガニック製品は同スーパーマーケットの全売上の0.5%に満たないが、この5年のうちにこの数字が5%になることを見込んでいる。また、現在オーガニック製品は150アイテムだが、同期間に400アイテムまで増加させたいとの考えである。

● フランス、青果生産ネットワークの弱みと強み

フランスではオーガニック養鶏に並び、野菜・果物の栽培が順調な伸びを示している。既に認証済みならびに転換中の耕地は、全耕地の2〜2.5%にのぼる。転換中の耕地は、1995〜2000年の間に5倍になった。2000年に若干の成長スピードダウン、2001年はわずかに減少した。転換に対して、農家に迷いが出ているようだ。踏みとどまる理由として、集約的な生産方法から転換することで、生産が困難になること、そして各地域の耕作契約の適用が非常に複雑であることが挙げられる。

青果生産ネットワークは、オーガニック農業のパイオニアの1つであるが、消費者の要望とおいしさ・滋養が適合するように活動してきた。そのためには、市場流通の時間が短いことが好まれる。つまり、全売上の50%が直接販売である。最小単位に提供してきたことで、ネットワークの発展が遅れ、スーパーマーケットチェーンのニーズにあまり応えられていない。一方、量・包装・定期的な供給という面では、地域生産を軸とする組織のお陰でうまくいっている。オーガニック耕地の増加に伴い(この3年で40%増が見込まれている)、このネットワークの将来は、いかに供給オーバーを抑制するか、流通がスムーズに流れるか、輸入品を適確に扱えるかということにかかっている。

現在のところ、青果の3分の1が輸出されている一方で、供給の3分の1を輸入に頼っている。

※このネットワークの情報は、以下のホームページでどうぞ
          http://www.pronatura.com/

● フランスワインの現状と未来

1. フランス人のワインの消費が減ってきている

二十年前は,一人当たり年間80〜90リットル飲んでいたワインが現在は一人当たり40〜50リットルに減少。理由は飲酒運転の規制がきびしくなってきていること、健康意識の高まりにより飲酒が控えられてきていることが挙げられる(アルコリズムの害が認識されてきた)。しかし、南米など新世界から輸入されてきた安いワインが低価格品(Vin de Table)で一般化したため、フランスワインとしては、嗜好はAOCなどの高級ワインに傾いている。消費傾向は、量を減らし、質の高い物へと移行している。一方、CO2による環境問題などへの関心も高まり、自然派嗜好が広まりつつある。

2. 葡萄の根が張らない?

不作被害の葡萄畑をボーリング調査したところ、1mを越えたあたりから、化学肥料によって岩のように固まった土による層が数十cmあり、このため葡萄の根がそれより下に張らないことが判明した。根がその層にそって横に張ってしまっている為、ミネラルなど必要な養分が取れない。さらに、降雨はこの層に沿って流れ、汚染を拡大している。
現在フランスではブドウ栽培に1500もの科学物質の使用が認められている。この化学物質の使用量は毎年14%づつ増加している。このまま環境汚染の広がりをとめられなければ,ワインの土壌がなくなってしまう。

3. ワインの個性が消滅

新世界のワインとの競争において生産性の向上が重視された為、多くの化学物質が使われている。しかし、生産性の向上は品質の低下を意味する。いいワインの個性は低い土地生産性、つまり、葡萄の収穫量を少なくすることから生まれる。ワインの個性のためには、土地の個性の違いが重要だが、1mしか深さのない土地では、その土地の個性はワインに現れない。

4. 化学物質によって失われた特徴を補う

化学物質の乱用によって、品種の違いや土地の違いがワインに大きな影響をもたらすことなく、どこの土地でも同じような、個性のないワインが増えてしまった。
自然な酸は土壌に由来する。しかし、酸味の足りないワインにはしばしば酸の添加による補正がおこなわれている。補糖は地方によってはAOCでも認められているが、自然の砂糖ではなく、科学的合成品も多く使われている。発酵には本来の皮に着く天然酵母ではなく、合成された酵母が多く使用されている。酵母が同じになってしまったので、香りの個性も失われている。遺伝子を組替えた酵母さえ使われるようになった。失われた個性ある香りは合成香料により補われる。樽の香りをつけるための香料や、木のチップを用いることが、特に輸出用ワインにおいて見られる。着色料も多用されている。
こういった化学物質の使用は隠されているが事実である。法的にも許されていて、使用も推奨されている。

5. 消費者のチョイス

消費者の反応は明白である。BSE問題や環境ホルモン、ダイオキシンに汚染された鶏肉の問題でヨーロッパの消費者の選択の基準は明白に示されている。牛肉の消費は落ちこんだ。そして消費者はある程度高くても、安心できるものを求めるようになった。それは消費量を削ってでも、品質を重視するというシステムである。しかしワインに使用されている化学物質の一部に、発ガン性のあるものが2-3%あることは、あまり知られていない。

6.フランスのレストラン界のオーガニックワインとオーガニック食品の状況

特にミシュランの星のある高級フランス料理店では敏感に反応している。使っている食材はどこのものであるのか?以前にはこういう疑問はなかったが、現在では、食材同士のハーモニーや、鮮度を重視し、本物の味を追及している。化学薬品を使うことで野菜の味は、本来の個性を失い、いわゆる「ひかえめ」になってきているが、消費者もレストランも、本物を求める嗜好は一致している。
しかし、ワインの多くはまだオーガニックではない。オーガニックは、若い世代に浸透しつつある。彼らが積極的に、本来の味をもとめるようになれば、今後の見通しは明るい。

7. 消費者の要望は信頼と情報

消費者は本物のオーガニックを求めているが、そのためには証明が重要である。
ヨーロッパのオーガニック認証制度により、オーガニック製品にはオーガニックマークがつき、消費者は信頼して買っている。今ではスーパーマーケットには、オーガニックコーナーがあり、日々商品が増えている。残念ながら、オーガニックワインにはまだ公式な制度がない。これはINAOの反対によるものである。
民間のオーガニック団体である、N&PやDemeterが情報を公開し、フランスの生産者はそれに従って作っている。しかし、公式のものではない。しかし、すでにメディアはしばしばオーガニックワインや食品を特集し、オーガニックワインの専門業界紙も生まれている。
オーガニックは若い世代に受け入れられている。料理人の中でも若い人が積極的に取り入れている。消費者はまさに、広い範囲の情報を求めていて、その流れは止めることができない。公式の制度はすでにEUに提案されており、まもなくできる見込みである。

オーガニックを拒否して既得権益を守りたい人々もまだ多いが、オーガニックを積極的に受け入れ、我々が生活や環境を見直さなければ、近い将来、大変なことになってしまうだろう。


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ジェラール・ボワソー・デシュアール氏略歴>

  エコール・ジャン・フェランディとフランス料理高等専門学校(ともにパリ商工会議所所属の公立職業訓練高等学校)にて、レストラン経営技術ならびにワイン醸造学の教授として25年の経歴をもつ。

  日本との関係においては、東京にあるフランス料理文化センターの生徒ならびに、既に料理人・サービス・ソムリエなどで活躍しているプロの加盟者のために、パリ商工会議所において、フランスでの養成研修制度を創設し、以来10年以上その運営の責任者を務めている。  個人的には、見習からマネージャーまで、いわゆるレストランにある全ての段階を経験し、ジョルジュ・バプティスト杯(サービスコンクール)の最終決戦出場の経験ももつ。

  主な著書に、ソムリエを目指す学生達の教科書である『ワインとチーズ(フランス国内版)』『EU諸国のワインとチーズ』がある。

● オーガニック農業はますます好調、イタリアの最近の調査より

イタリアの農業省はイタリアのオーガニック農業に関する最新の調査結果を公表した。

2001年12月31日時点で、イタリアでオーガニック産業に携わる企業・農家は60,509軒、2000年の54,004軒から12%の増加である。内訳は農家56,440軒、加工ならびに販売企業3,947社、輸入業者が122社である。オーガニック耕地は2000年の1,069,000haから15%のアップで、123万haとなった。うち32%の398,000haが牧草地ならびに飼料作物のための耕地である。(正確には221,436haが飼料穀物、残りが牧草地である。)

オリーブの栽培が44,175ha、ナッツ類を含む果物がオーガニック耕地全体の5.2%を占めている。オーガニック牛は33万頭を少し超える程度、羊ならびにやぎが32万8千頭、豚が2万5千頭で、雌鶏とブロイラーをあわせた家禽類が65万羽であった。

過去と同様、63%以上のオーガニック農家が南部に位置し、21%が北部、16%が中央部の農家である。

国が認める10の認証機関による公的検査73,000件(そのうち2.7%の約2千件は抜き打ち検査)とは別に、特に生協、輸出企業、スーパーマーケットは、さらに独自の追加検査や分析を行っている。例えばCoop(イタリア最大の小売業者。プライベートラベルのついたオーガニック製品は215にのぼり、1465の供給者をもつ。オーガニック青果の販売量は11,500トン)は、2001年の1年間でオーガニック製品について15,633件の分析を行った。

FIAO(イタリアオーガニック農業連盟:協会や機関、イタリアのオーガニック農家の検査のうち70%を行う6つの認証機関が集まっている)は、そのプレスリリースの中で、特にイタリアのオーガニック農業の信頼性ならびにイタリアのオーガニック製品の高い安全性を強調した。前述の73,000件の調査ならびに何千もの分析、そしてルールに従っていないために行われた約2,000件の制裁がその信頼性と安全性を保証しているからである。

● AIAB、第23回年次総会終了

AIAB(イタリアオーガニック農業協会)の第23回年次総会がローマにて開かれた。

科学委員会によって提案された、オーガニック製品に関するAIAB規定の改定について、各地のAIAB事務所の代表は賛成票を投じた。この改定は、消費者と環境に対する安全という点で、より厳しい規定となっている。

以下に例を2つ挙げる。

1)畜産農家は、100%オーガニック認定飼料を使用しなければならない。現行のEU規定で は、(どうしても手に入らない場合は)20%まで一般農業による飼料が認められている。

2)AIAB規定では、1つの農場内でオーガニックとそうでない農業が並行して行われるのを認めない。

この総会で出たさらなるニュースとしては、初めて店舗にてAIABマークの使用が可能になる。これは、きちんとした取り締まりプログラムが創られたからである。

● イギリスとフランスのオーガニック肉製品市場について

イギリスのオーガニック食肉部門では、生産過剰状態がおこっている。今年、かなりの量のオーガニック羊肉とオーガニック牛肉が一般の製品として販売されている。

イギリスのオーガニック食肉市場は、1990年代後半から供給不足に悩んできた。しかしながら、市場の成長率はゆるやかなのに対し、国内の生産量は急激に増え、結果として生産過剰状態に陥った。2002年の市場成長率は18%と予測されているが、国産製品の増加の大部分は、多くのスーパーマーケットがこぞって陳列する輸入品と同化されることになるだろう。

これらの新しい調査結果は、Organic Monitor社が発表した資料、「イギリスのオーガニック食肉製品市場」「フランスのオーガニック食肉製品市場」による。両国における需要の高まりは、1990年代中盤以降、特に増加している。BSEなどの食品の安全性に対する不安から、消費者の関心はより一層オーガニック肉製品に集まっている。2002年の両国を合わせた売上高は、3億8700万ユーロに達すると見込まれている。

フランスのオーガニック食肉製品市場は、現在ヨーロッパ第2位であり、流通業者が販売に力を入れ続けることによって、健全な成長が予想される。イギリスと比較して、流通業者の介入率はまだまだ低く、オーガニック食肉製品がフランスの消費者に広く行き渡るようになることで、高成長が期待される。

フランスのオーガニック畜産農家は、およそ10,400戸のオーガニック農家の約40%を占める。オーガニック農業に転換する畜産農家によって、1990年代中盤以降、フランスにおけるオーガニック耕地は急激に増加した。大部分の畜産農家は、小規模であり、配送やマーケティングへの投資が経済的に厳しい状態である。そしてこれが、フランス市場におけるオーガニック食肉製品の流通コストアップにつながっている。

両国におけるオーガニック食肉製品市場は、増大する大規模流通の影響によって、来る数年のうちに合理化されることが予測される。両国とも、従来の食肉業者が市場を支配している状態ではあるが、小規模なサプライヤーがマーケティング力を強化することで、より競争が激しくなりそうである。イギリスでは既に、過去2年間のうちに、いくつかのマーケティンググループが結成されている。

 ※Organic Monitor社は国際的なオーガニック食品業界に関する情報を提供している。
詳細は以下のページで。

   http://www.organicmonitor.com

● EU共通農業政策AGENDA2000中間修正案・概略速報

共通農業政策の中間報告と、一部修正案(MTR)が10日、欧州委員会ならびに、欧州連合理事会によって発表された。これは、アジェンダ2000の結果調査に基づき、支出される補助金は、環境、食品安全性、動物福祉などの法的基準に適合していることを条件とするために、ヨーロッパ会議(EC)によってWTO(世界貿易機構)の新ラウンド交渉に先立って実施された。

大きく分けて2つの主旨から構成された報告書の内容は、農作物市場の調査、公開、公式直接補助金の削減と、持続可能な農業と地域開発との2つで、後者WTO交渉へのEUの農業対処政策であるといえる。穀類の介入価格は5%切り下げられ、これは当初のアジェンダ2000での提案より20%も下まわる。ライ麦の間接補償は全くなくなる。農法転換補助金も、年間3%、計20%まで削減されることになる。

一方、削減された資金は、持続可能な農業対策や地域開発に利用される。例えば,農場監査は、5000ユーロ以上の補助を受ける農場に義務づけられることになり、監査にかかる費用はEUが負担する制度や、CO2対策として生物燃料保護のため補助金は、150ヘクタールまで、1ヘクタールにつき45ユーロの補助金が支給される制度は新しい。

また、今回の見直し後、業者は各食品品質認証や、認定団体に参加することを推奨され、各食品品質認証団体や、オーガニック農法推奨団体はEUから援助を受けられる。農業環境対策補助金は、現在のアジェンダ2000では50%から75%であるのに対して、今回の改正で、60%から85%まで引き上げられる。

ベルリンヨーロッパ会議で今回のアジェンダ2000改正でも、予算の総額はこれまで通りの405億ユーロと発表されている。各国内の補助金制度は、CAP改正の目的に反しない程度で、必要と認められる範囲内であれば、委員会に申請後許可されることも一部可能。

今後の動向として、欧州連合理事会、欧州議会などでの討議後、欧州委員会は2002年秋に立法措置を予定。2003年に行われるオリーブオイル、砂糖などの分野においての新政策は新しい所得支払に基づいて行われることになる。

今回の改正で、農地、農作物の品質向上、オープンな市場の導入、が期待され、消費者には、より安全で、質の高い作物が供給される。納税者への利点としては公費の有効利用と予算枠の不拡大が挙げられる。食品産業にとっても、原材料低減は朗報である。また、地方行政は地域活性のための地域に根付いた作物を生かすことも、休耕地をCO2対策として有効利用することも可能である。

現在、補助金授受者の中にはこの修正に反対する者があり、賛否両論存在するものの、意識調査参加者の約71%は、「安全性」、「環境保全」、「農業者保護」、「オーガニック農法促進」などの理由で今回のCAP改正に賛成している。

● ヨーロッパの食品法に関する挑戦と将来の政策【後半】

ディヴィッド・バーン(欧州委員会健康と消費者保護委員)

ブリュッセルのコンファレンスにて、2002年6月25日  

2.食糧ならびに飼料の検査

続いて食糧ならびに飼料の公的な検査についてお話ししたいと思います。現在、私は欧州議会と理事会の規定としての最終提案をしているところです。また、欧州委員会としては、この規定が今年中に採用されることを望んでいます。

この規定を進める原動力は、現存する様々な側面にわたるEUの食糧法に則った公的な検査とは違ったアプローチであるということです。このようにばらばらの規定が存在することで、加盟国内あるいはEU圏外の国における公的な検査を実行する際に、様々な例外が生じ、基本的な規則さえ不完全な状態になってしまいます。

それに加えて、食糧と家畜に関する当局が認める検査手続きを更新する必要があります。

今回の全般にわたるアプローチに従って、非常に重要なのは、公的な検査が食糧の流れのあらゆる段階をカバーしているということです。さらに、EUのアプローチは各国の検査システムを形作り、発展させるためにもぜひ採用されるべきなのです。

以上の目的を達成するために、3つの提案をしています。

 ・各加盟国の義務
 ・欧州委員会検査部門の義務
 ・法律の施行に関する特別な部分

1)各加盟国の義務

食糧と飼料の検査を行う公的機関は、その公正さや検査実効能力を保証する一連の基準を満たしていなければなりません。

検査員は必要とされる資質、能力、知識を備え、十分な人数が必要です。検査計画に対して不測の事態も起こりうるでしょうが、深刻な危険が考えられる場合においては、取るべき手段・基準を綿密に調べなくてはなりません。

加盟国は、欧州委員会が定めるガイドラインに従った、検査計画を作成し、実行しなければなりません。また、その計画の実行状態に関する年次報告を委員会に提出することも義務付けられています。各加盟国から届くレポートに基づき、委員会は理事会と欧州議会に提出する年次報告を作成することになります。

公的検査機関によって、一加盟国以上に該当する食糧ならびに飼料の問題が明らかになった場合は、加盟国間の公的検査機関が協力して問題解決するように、適切な手続きがいつでも取ることができなくてはなりません。

この提案には、食糧と動物由来ではない飼料を含めたEU圏外から輸入する食糧ならびに飼料の検査に関する一連の手続きも含まれることになります。

2)欧州委員会検査部門の義務

欧州委員会の専門家は、公的検査が各国の検査計画に沿っているかどうかを確認するため、各加盟国における定期的な検査をすることが要求されます。

また同様に、EUに食糧や飼料を輸出するEU圏外の国々の定期的な検査も行います。こうしたEU圏外の各国もEU加盟国と同様、検査計画を作成し、実行状態を報告することが求められます。

3)法律の施行

これまでの経験から、制裁のシステムがあるだけでは、必ずしも欧州委員会規定を履行するのに十分ではない、ということがわかりました。刑事的な制裁処置を適用することで、完全履行がより確実になるでしょう。

さらに、私は、欧州委員会の助成は、委員会の食糧法にしたがっているかどうかで支払われるべきだと考えています。

いつものことですが、欧州委員会レベルの制裁問題は、いくつかの方面で物議をかもしがちです。しかし、私が最大限に脅かしても、ある会社が規定の信用に反する条項にそむいたり、あるいは最終的に違法の手続きを行って、欧州委員会から多額の罰金を科されたら、それをいったいどのように消費者に伝えればいいのでしょうか?

食糧法違反の扱いに関する欧州委員会の権力の徹底的な強化が必要とされています。そして、この点において確実に進歩できるよう、私たちは信念をもってあたらねばなりません。

3.原材料表示

つづいて、本日の最後のテーマ「原材料表示」です。

原材料表示の問題は、全ての消費者にとって非常に重要であり、法律は、そのもっともな要求を満たすものでなくてはなりません。

本日私は、特に、原材料の構成に焦点をあてたいと思います。

実際のところ、食料品の選択の幅がこんなにも広くなった状態で、何を選ぶか決めるために、その食品が何からできているか知りたいと思うことほど、理にかなったことはあるでしょうか?

それよりもさらに重要なことは、悲しいことですが今も増えつづけている、ある一定の原材料に関して、アレルギーがあったり、口にすることができない人々のために、原材料の表示が必要だということです。

だからこそ、表示に関する法律は、全ての消費者が理解可能な情報を確実に手に入れられるだけではなく、食品に対する非常に現実的な問題に向けて必要不可欠なのです。

委員会の目的はここにあります。一般的な意味で、この法律が多くのコンセンサスを得てきたことを嬉しく思っています。欧州議会はつい最近、まず第1回目の討議で、大多数の賛成票を投じました。

原材料表示は難しい領域です。ラベルの内容は、しばしば見た目よりも複雑になりがちです。例えば、香料や混合スパイスは、何ダースもの原材料からできています。それら全てを表記することが果たして必要、もしくは望ましいことでしょうか?

一方、アレルギーや病気を引き起こす可能性があるかもしれないことを、私たちがきちんと理解できる必要もあります。

問題を要約すると「原材料表示をどのように明細にすることが必要か?」ということです。情報があふれて、消費者が理解しがたいようなものになることは、絶対避けなくてはなりません。情報の量が、品質や明確さをあいまいにすることは許されないのです。

それゆえ、私たちの提案の目的は、アレルギーや病気を引き起こす可能性のある原材料は全て表示され、かつ必要十分な情報を与えるということです。

◆原材料表示法に関する主な内容◆

今日、消費者は食品の原材料について、より完全で明確な情報を求めています。結果として、ラベル表示は複雑になりがちです。これは望ましい状態とは逆行するものであり、法律の適用と検査においてさらなる困難を増やしかねません。

ですから私は、加盟各国、消費者、産業界、商業界それぞれの代表者の密接な協力によって、現代的で簡素かどうかという観点から、原材料表示に関する法律の再評価を行いたいと思うのです。

現在、産業界・消費者それぞれを代表する、様々な利害関係者の経験と専門性にしたがって、前述のような評価を行い、最良の基準を反映しているところです。

【結論】

食糧法を構築する多くのブロックが、現代的でわかりやすいものになりつつあることをここでお話できるのを非常に嬉しく思います。私たちは食糧法という1つの絵がどのように完成されるべきか、明確なビジョンをもっており、私が本日概略を説明してきた基準が役に立つことになるでしょう。

バランスと柔軟さがキーポイントです。

食糧供給の安全性は、EUの住人を守り、またヨーロッパの産業界に対する消費者の信用を取り戻すためにももっとも重要なことです。しかし、必要以上の規定で、産業界を縛り付けたくはありません。

私は、安全性が確証されているけれども、識別力のあるヨーロッパの消費者の要求を満たすのに必要な、品質や改良、優秀さの点では自由に競争し、信頼に足る、活気に満ち、多様性のある食品産業界を見たいと思っています。

古い車にはさよならを言うときです。今年のモデルに乗るときです。現代的で、安全、目の前の道にどんなことが待ち受けていようとも信頼できる準備が整った車に。ありがとうございました。 

● ヨーロッパの食品法に関する挑戦と将来の政策【前半】

ディヴィッド・バーン(欧州委員会健康と消費者保護委員)

ブリュッセルのコンファレンスにて、2002年6月25日  

<導入>

本日、食品安全法に関するコンファレンスで講演できることを嬉しく思います。これは、私の管轄においてもっとも重要な政策の1つであります。

私が、入局したときに非常に明らかだったことが1つあります。それは、我々の食品法が緊急に改革される必要があったということです。消費者は、食品にまつわる度重なる事件を通して、食品に対する信頼を失っていました。

我々の食品法は、古い車のようなもので、何年にもわたって、何度も新しい開発を続け、改訂され、特別な要請にも沿ってきました。後部座席にもシートベルトを、前にはエアバッグを、ボンネットの下には触媒コンバータを、新しいタイヤにも変えないといけないし、パワーステアリングも必要だ、再塗装も、カセットだったところにはCDプレーヤーさえも。

こうして何年もいじくりまわされた結果、古いモデルの車は、その原型とは似ても似つかない、まるで化け物のような変わったものになってしまったのです。

しかもその信頼性はよろめき始めています。こんな風に追加されてきた全ての付属のアクセサリや、装置のために走行が難しくなり、故障もいっぱい。これでは人々が乗る気がなくなってしまうのも当然です。

新しいモデルが必要でした。現代的で、最新、効率がよく、最新工学を生かし、さらに各構成要素がシナジー効果を持つことで、最高のパフォーマンスとなるような。

そしてこれこそが、食品の安全性という分野においてまさに我々が作り上げようとしていることなのです。新しい世紀の要望に沿った新しい車です。

青写真は、2000年1月の食品安全白書で設立した「農場からフォークまで」という原則でした。

白書の中のアクションプランは、初めて、食品が流れる全ての段階を通じて、あらゆる面から食品の安全性を描いたものでした。具体的には、従来の食品衛生法に関することから、家畜の健康や快適性、そして植物の病気の保護に関することまでです。

そして今年の初めに、重要な第一歩を踏み出しました。食品法ならびに食品安全に関する手続きについての一般原則と要求事項について、規定を制定し、効力をもたせたこと、そしてもちろんヨーロッパ食品安全局を立ち上げたことです。

委員会の提案は、例えば食品衛生、サプリメント、遺伝子組換え食品などもカバーする、全ての範囲にわたって法的な手続きの中に取り込まれました。ただし、本日は食品安全の3大柱となる「食品衛生」「食糧ならびに飼料の検査」「原材料表示」について特に注目したいと思います。

▼食品衛生法

私は、ここで2年前の食品の安全と衛生に関する欧州委員会規定の抜本的な大刷新を発表致します。

新しい規定によって、現在17以上ものばらばらの指令となっている、非常に詳細で複雑な食品衛生に関する要件は、1つにまとめられ、整然とした、簡素なものになります。

この規定の目的は、1つの透明性のある食品衛生政策を創造することです。その政策は、食品の流れ全体を通じて、食品の安全性と将来おこりうる食品の危険性を管理する効果的な手段とともに、農場から食卓にいたるあらゆる食品、そしてそれに携わる全ての人々に適用されるものです。

このアプローチの主要な点として、非常に詳細に規定を定めていく直接的なやり方よりはむしろ、安全追求に必要な手段について適確な判断をするために柔軟さを残しつつも、目標を設定するということが挙げられます。

食品衛生法は、内部市場の要望に応える形で、1964年以来発展してきましたが、それは新世紀にあたって私たちが設定した高水準の消費者健康保護の基準に合うように作られたものではありませんでした。

そして私たちは、90年代におこった食品にまつわる事件から学ぶことになりました。この形式化した一定不変の規則を通じて、私たちは現在の法律とのギャップをうずめ、また食品の流れ全体の安全性を強化するために土台を築いています。

大小を問わず、食品に関わって働く人々が、この簡素化され、透明性のある規則の方が仕事がしやすいと感じるであろうことに私は自信をもっています。この新しいアプローチは、食品に関わる人々がどうすればベストかを考える際に、これまで以上の自由と柔軟さを与える一方で、この食品は安全だということを確実にするための責任の所在を明確に定義するものになります。

△基本原則△

新しい衛生法の土台となる基本原則は、大きく分けて3つの要素から成り立ちます。

1つ目は、「農場からフォークまで」原則を衛生政策にも導入することです。それは、部門部門に分かれてつぎはぎ状態になった現行の規則に代わって、あらゆる部門のあらゆる食品をカバーする、系統的でわかりやすい衛生法を作るためです。

2つ目の原則は、食品の安全に関する第一の責任者は、生産者が引き受けるべきであるということです。

3つ目は、全ての食品産業は登録が必要だということです。このことによって、検査機関は業務がよりよく行うことができ、さらに危機管理システムを発展、運営していくことができます。

△柔軟性△

かつては衛生法を一本化することは、伝統的な食品生産者や、遠く離れた島や山間部、その他地理的に人里離れた地域の食品産業者にとって、困難な問題を引き起こすことがありました。

このような地理的条件の人々に、規定を適用する責任は、各加盟国に託されます。なぜなら、食品安全の原則が信頼を落とさないためにどうすればよいか、ふさわしい解決を見つけるのに最適な場所にいるのが、その当該加盟国だからです。

このことは、私が各加盟国を訪れた際に強調されたことです。そして、私はこのような特別な状況に対応するために、柔軟性の必要を強く認識したのです。

また、肉・肉製品、魚、乳製品といった動物由来の食品について、特別に追加の衛生規定を設けるという提案があります。

多くの点において非常に詳細な現行の規則に対して、繰り返しますが、新しいテキストには、大いなる柔軟性を導入し、将来さらに簡素化するための第一歩を踏み出します。

同時に、屠殺における残骸汚染を減らすための新しい規則が導入されますが、この分野についての特別な危険性を考えて、ある一定のレベルまでの詳細事項は、現行のまま残されます。

そして欧州委員会は、この新しいより柔軟性のあるアプローチが、実際にどのように運用されているか、また最新の状態と詳細にわたる規則の必要性との正しいバランスを見つけるための評価を行っていきます。

△法的手順△

この食品衛生に関する提案は、共同決議事項ですから、欧州議会と理事会両方の賛成を得て、この規定は食品衛生に関する指令(93/43)と16の特別理事会指令にとってかわることになります。

5月15日の欧州議会の第1回討議において、この提案が是認されたことを非常に嬉しく思っています。次に行われる農業理事会においても、重要な部分における同意が得られることを期待しています。


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