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● 地元市場のための構造発展(フランス南部)

オーガニック農業は、国家的にみれば、生産者よりもそれを求める消費者の方が多いため、供給が間に合っていない。特に、BSEやダイオキシンに汚染された鶏、遺伝子組替作物の実験畑といったような既存農業における数々の事件を経て、オーガニック製品の需要は爆発した。このことにより、生産者、消費者、農家が作る協会や団体も倍増している。ジェール県のオーガニックおよびバイオダイナミック農業者団体の年次総会の議長を務めた同団体会長のシルヴィー・コラスに聞いた。

Q.国家的に見て、また特にジェール県におけるオーガニック農業の状況はどのようなものですか?

ドイツでおこったスキャンダルで、多少の文句は出たものの、オーガニック製品の消費者は、熱狂的ともいえるほど、どんどん増えています。ごまかそうとする人々や、不正直な流通業者にだまされる人々を防ぐことは(残念ながら)決してできないでしょう。ただし、検査は非常に厳しく、こうした不正をあばくことはできます。

国家的に見れば、ますます供給不足に陥ってきており、輸入が必要だという状況です。現在、転換中の農家が正規のオーガニック農家になるという過程を経て、この供給不足状態から脱しようとしています。これに関しては、財政的な保証をしてくれるプログラムCTEが非常に役立っています。

ジェール県に限って言えば、昨年以来、主に穀物と畜産ですが、かなりの数の農家が、オーガニックへと転換を果たしました。しかし、オーガニック耕地は全耕地面積のわずか2%にすぎません。またオーガニック農家は往々にして、小規模で、既存農業と比較すると、収益はよいようです。

Q.既存農業製品とは違った流通を考えておられますか?

大規模スーパーでオーガニック製品が並べられる割合はどんどん増えています。その状況を喜んでいるのは、生産者だけではなく消費者もそうなのです。しかしながら、私たちは、本来非常に厳格で、国家にゆだねられているべきオーガニック規定事項(国が定めるオーガニック規定に基づき各認証機関が作成する生産規定)をもっとゆるやかなものにしたいと望む大規模な食品グループからの圧力を感じているのも確かです。私たちは既に、認証機関の検査のもと、ジモンの屠殺場で屠殺を行いました。私たちは、製品のいくつかを流通させる構造を開発しようとしています。基本的に肉類で、県内の生産者を最大限集める予定です。このようにして、地域内を流通する、地元のオーガニック製品をもてるようになるでしょう。

Q.あなたがたの製品はどのようにさらに発展していくと思いますか?

私たちは大規模メーカーのようにメディアを使った広告をする必要はありませんが、一方で給食にオーガニックメニューを展開しています。(2001年実績3000食、2002年見通し4000食)若者達は、健康を気遣う全ての人々同様、将来のオーガニック製品購入者になるでしょうから。

● ローマ世界食品サミットでのオーガニック農業

ローマで行われた、国際連合食糧農業機関(FAO)の世界食品サミット(WFS)のため、80カ国のリーダーとその他、4000人近くの側近に伴われた数え切れない数の大臣が、現在社会の直面している最も難題である飢餓や栄養不良の問題を打破するために詰め掛けた。今回のサミットは前回の1996年に行われたサミットで行われた飢餓対策に思うような成果が出なかったために行われた。公的なWSFプログラムは、公式宣言のための形式化したしたいつもの外交闘争に先立つ、またいつもの美辞麗句が詰まったスピーチを発表した。

公式文書の中に、バイオテクノロジーについては肯定的な項目がある一方で、オーガニック農業の食品の安全性に対する潜在的な貢献に関する項目は見られなかった。国際有機農業運動連盟(IFOAM)のGunnar Rundgren 会長はこの点に関して、「オーガニック農業が現在、市民社会フォーラムによって食品の安全性を完成させる一番適切な農法として広く認識されていることは我々の信念を強めることである。私自身、世界食品サミットの結果にあまり期待はしていなかったので、それに関して失望してはいない。以前のWFSの様な催しでは、少なくともすばらしい目標があり、ただそれを達成することができなかった。しかし今日、そうした目標さえ、大部分がどこかへ行ってしまった。」との見解を示している。

しかしながら、オーガニック農業はWFSで堂々と紹介された。IFOAMは、2ページにわたるオーガニック農業と食品の安全性に関する見解文書を導入し広く行き渡らせた。(IFOAM ウェブwww.ifoam.orgを参照)IFOAMは6人の欧州、インド、アルゼンチンの代表派遣団と共にWFSや市民社会フォーラムに参加している。フロアでの活発なロビー活動、様々なパネルディスカッションへの参加はオーガニック農業が広められることを確かなものにしている。

WFSや文書の中でのオーガニック農業への関心、参考資料不足は多くのNGO団体の批判を受けている。公式にWFSの一部であるマルチ・ステークホルダーフォーラム(多様利害関係者フォーラム)はオーガニック農業の地位を高め、広まる遺伝子工学の反対者である市民社会フォーラムに加わる最適な討論の場である。IFOAMの国際関係指導者であるBernward Geier はマルチ・ステークホルダーフォーラムで400人の参加者に「オーガニック農業は、自然資源の枯渇を招いたり、GMOのようなリスクを考慮しない技術を使用することなく、真に持続可能な食品の保証と安全を達成する総合的な解決策として、さらに発展を続けるだろう。」と述べた。

今回の目玉は、IFOAMがローマのFAO連絡所の協力により市民社会フォーラムで編成したオーガニックデーである。オーガニック農業の食品の安全性への貢献について、多くのパネリストによって討論された。パネリストは、ドイツ消費者保護・食料農業省の大臣レナート・キュネスト、ノーベル賞受賞候補であるインドのヴァンダナ・シヴァ 、IFOAM会長のGunnar Rundgren 、農業生態学教授Miguel Altieri (アメリカ・チリ)、Nadia Shialabba El-Hage (FAO)、イタリア倫理銀行(ethical bank)のMarco Cavaniなどである。彼らのプレゼンテーションや寄付は活発な討論を刺激し、またオーガニック運動に関する将来的な難題への考慮や批判的な反響をも示された。パネル後、レセプションが提供され、オーガニック農法によって栽培可能なものの'試食'の機会が与えられた。イタリアのオーガニック運動の支持により、討論とネットワーク存続の堅実なオーガニック活動のベースがつくられた。

この日は、ローマ市によってカザーレ ポデーレ ローザで催されたオーガニックディナーパーティーと良いイタリアのフォーク音楽で締めくくられ、参加者は夏の夕べを楽しんだ。

● スペインの“Bio”ラベルの使用違反に対する手続き

欧州委員会はスペインに対し、オーガニック農業に関する一部の規定と国際取引慣習を変更するよう正式に要請することを決定した。スペイン国内において、オーガニック農法で生産されたものではない製品の一部が“Bio(ビオ=フランス語やイタリア語などでオーガニックを意味する)”という表現を使って表示されていた。それはオーガニック農業に関するEU規定に適合しない。要請は陳述意見書の形をとっており、EC 条約26条規定違反に対する手続きの第二段階にあたる。2ヶ月以内に陳述意見書に対する満足いく回答が得られない場合、欧州委員会はこの問題の解決を欧州裁判所に委ねる可能性もある。

欧州委員会はスペインで流通しているオーガニック農業製品ではないが、“Bio”という表現を含むすべての商標製品についての情報を入手した。実際に欧州委員会に提出された一例として、Bio Danone、Bio Calcio-Nestle、Biosanなどがある。

欧州委員会はまた、“Bio”という表現が乳製品について習慣的・継続的に用いられることを公認する書面、Decreto Foral 212/2000 2000年6月12日 (ナバル自治体地方令)を入手した。加えて、2001年5月には、国王令 506/2001 が承認された。この序文から 、“Bio”という表現の使用がオーガニック農業で生産されたものでない製品についても許可されることが明らかになっている。

2001年7月24日の時点で、 正式通知文書がスペイン政府に提出されていた。この文書の中で、委員会は国王令506/2001とDecreto Foral 212/2000 は(1)農産物のオーガニック製品規定と(2)食品ラベル標示と説明及び広告に関する法律の概略の指示に反しているという見方をとっている。

スペイン当局は2001年10月5日、この正式通知文書について回答した。その中で、問題となっている法と国際取引慣習は、連合法の立場に違反するものではないとの立場を維持した。

現在、欧州委員会はスペイン当局にEC 条約26条に基づいた陳述意見書を送付することを決定している。陳述意見書において、スペイン当局にEU法と一致するよう、法と取引慣習を近づけるよう要求する。スペイン当局は、回答期限まで陳述意見書の受取日から2ヶ月間の猶予がある。

(1) 理事会規定No 2092/91 (EEC) 1991年6月24日
(2) EC指令2000/13/号欧州議会・理事会2000年3月20日

● 畜産農家のオーガニック転換ガイド登場(フランス東部)

アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュ・アルデンヌの各地方では、現在約500農家がオーガニック生産を行っている。新たにオーガニックへの転換を考えているこの地方に住む農家に対して、技術面と経済面両方のデータを提供する新しいガイドが発行された。制作は、オーガニック農業研究機関(CGA、OPABA)協会、同地方の農業者協会、CAIACそして飼育協会である。

ガイドの内容は以下の通りである。・実践的情報:フランス東部における精肉部門と主要作物に関する市場 データとEUならびにフランスのオーガニック規定・3農家の証言(転換中、最近転換、オーガニック農家)・転換モデル(どのような転換を行うと経済的にどのような効果が現れるか、11のモデルを列挙)・作物と輪作、堆肥化、飼料、寄生虫管理などに関する技術的なアドヴァイス・転換過程診断とオーガニック農業へ転換する際に要求される実践的ステップ

このガイドはまた、技術的・金銭的にアドヴァイスが可能な様々な提携先も掲載している。このガイドは以下で入手可能である。
※L'Institut de l'Elevage
9 rue de la Vologne BP 1047
54522 LAXOU CEDEX FRANCE
 

● オーガニック農業の生態学的な利点−スイスの調査より  
スイスの科学者グループによる、21年に及ぶ実験によれば、オーガニック農場の生産高は、一般農業と比較して、平均20%少ないが、生態学的な利点が多いため、その損失は補って余りあるという。

スイスのフリックにあるオーガニック農業研究機構のポール・メーダーとその研究グループは、じゃがいも、大麦、冬小麦、ビート、クローバーについて試験農場を使用して比較した。この研究の経過を通じて、土壌に与えられたチッソ、リン、その他の栄養素の量は、オーガニック農業では一般農業よりも、34〜51%少なかった。

しかしながら、この研究チームは、オーガニック農業による収穫量が、一般農業の80%だったということは、オーガニック農業の方がその資源をより有効に活用していると結論づけている。また、同様にオーガニックの土壌は、別の方法でより肥沃になっている。つまり有機体の活動範囲がより大きく、ヴァラエティに富んでいると結んでいる。

昆虫は、ほぼ倍の量がいて、種類も多かった。その中には、害虫を食べるクモやカブトムシもいた。ミミズも多く、それはつまり雑草も多かったということだ。

メーダーはサイエンス誌(科学の進歩に向けたアメリカ協会=the American association for the Advancement of Science)に以下のようなコメントを寄せている。「私たちの研究の結果が物語っているのは、オーガニック農家が土壌の肥沃化を進めることで、生物の多様性も増すということだ。こうした結果は、農家にとって元気付けられる話題だろう。それは何年も収穫量が安定するということだし、土壌がますます肥えていくからだ。」

● オランダ、オーガニック耕地増加するも目標には及ばず

2001年、オランダのオーガニックの耕地面積は15%増加したが、政府の定める目標には不十分であった。

中央分析局(the Central Bureau of statistics=CBS)が10日に発表した資料によれば、2001年のオーガニック耕地面積は、2000年の26,784haから、31,009haへと増加した。

オーガニック耕地は、オランダの全耕地面積の1.6%にすぎないが、政府は2010年までにこの割合を10%まで引き上げたいと考えている。しかしながら、農務大臣が2001年初頭に発表した見解では、この目標を達成するには、年率約25%の成長が必要である。

オーガニック農業だけに特化する農家は、昨年より13%増加して、1,024軒になった。オーガニック製品の生産に使用される耕地のうち、酪農が62%で最も多く、次いで耕地が22%と続いている。

政府は、オーガニック農業を支援するために、2001〜2004年にかけて約1億2千570万ユーロ(約150億円)を割り当てている。 

● ドイツにて大規模なオーガニック飼料の農薬汚染が発生
2002年1月、バイエルンのベビーフード製造社の検査所で、配送された七面鳥(83トン)の残留物の中から、許容されている最高量0.01mg/kgを上回る量のニトロフェンが見つかった。調査によって、ニーダーザクセンの七面鳥の生産業者とその組合の業者、また、同地にある飼料業者に関係があることがわかった。

家禽生産者は水質、ワクチン、飼料、寝藁、鶏舎の土に生える植物、そして2001年11月以降の飼料のサンプルを調査するよう指示され、2002年3月19日、委任された調査研究所は、関係した飼料製造者の餌のサンプルに、5.96mg/kgのニトロフェンが含まれているのを見つけた。同年同月の27日に出た肉のサンプルでの調査結果も含め、これらの結果から、家禽に0.07〜0.8mg/kgのニトロフェンが含まれる事が証明された。

その後の対処として、4月4日、ブランデンブルクの穀物メーカーと2つの卸売り業者の生態検査所、農林省の生態検査所、保全環境省、国土計画省が電話会議を行い、5月21日、連邦政府消費者保護省は、まず、飼料用穀物からと考えられるニトロフェンの汚染(混合)と、それに伴う家禽生産物の負担への対処法の大まかな指示を電話で与えた。また5月24日、同省は飼料と食料についての緊急警告システムによって、EUとその加盟国に、小麦に含まれるニトロフェンの含量についての報告をした。

調査に従って、ドイツ国産のもので4種の飼料用穀物、およそ500トンが汚染に関係していた事が判明した。2001年11月以降に納入された製品の分析により、ニトロフェン残留物が見つかった飼料生産者は31社、最も高い数値は5.96mg/kg、6.2mg/kgで、その飼料生産者から飼料を取り寄せていたのは、90の工場地の内、73にものぼった。5月30日にはドイツ政府に選任チームと3つの作業部会を設け、汚染の背景、流通経路、認証システムが機能せず、最終製品中に汚染が起きた理由などを解明することになった。

これまでの当局の調査で、マルヒンにある卸売業者の倉庫から出た塵の中に、1kgあたり2gのニトロフェンが含まれていることが明らかになった。この倉庫は、調査によると、ドイツ民主共和国(東ドイツ)時代に植物病虫害防除剤を蓄えるために利用されていた。汚染はこの倉庫で発生したと推定される。この倉庫には2001年7月31日に20トンの飼料用麦が積まれたらしく、その一部は次の日にはおろされ、飼料として供給されたということである。

6月8日、国境を接するベルギー政府はドイツ産の家畜飼料の輸入を差し止める措置をとった。

6月11日、欧州委員会は本件に関する委員会を設け、今後の措置を検討している。


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