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13日、欧州委員会健康消費者保護委員のディヴィッド・バーン氏と農業水産田園地区発展委員のフランツ・フィシュラー氏は、一年以上にわたって行われたヨーロッパの農業と食糧政策に関する戦略的な対話を完了した。ブリュッセルで行われた農業と食糧に関する最終討議で、両委員は国際的な専門家からなる一流の委員会の支援とともに、一年以上討議を重ねてきた議題についてまとめ、向こう数年間にわたる農業と食糧政策の発展を支えることになるであろう一連のアイデアを発表した。
「我々の一年以上に及ぶ討議の中で、全てのテーマにまたがっていたのは、農業ならびに食糧生産のあらゆる段階において、品質を追求するための一歩踏み込んだアプローチを展開すること、そして消費者が品質に寄せる関心と期待であった。我々の挑戦は、今それを政策に導入、法制化し、現実のものとしていくことだ。」と両委員はコメントしている。一連の討議を通じて得られた内容は、農業ならびに食糧政策の変更の中に、またそれに関わる利害関係者への情報やアドヴァイスに、間違いなく盛り込まれていくだろう。具体的には、様々な提案は、共通農業指針(CAP)と田園地区発展政策の中間見直しにおける今後の見通しや、食品安全白書の中に反映されるだろう。「消費者に対する、曖昧さのない、明白な情報は、人々が選択をするうえで、必要不可欠なものであり、これこそが、一年にわたる討議を通して非常にはっきりと伝わってきたメッセージである。政策ならびに法律は、このはっきりとした消費者のメッセージに答える形で発展するだろう。」と消費者保護委員のバーンは語った。
一方農業委員のフィシュラーは次のように述べた。「これらの討議を通じて、私たちは全体的な食品の流れの把握が必要であり、投資家達は農家が品質の高い製品を作ることができるよう、支持支援する必要があるということを学んだと信じている。田園地区発展政策の下で、品質の高い生産に対する奨励金を出すという構想は、1つの挑戦となるだろう。」
一年にわたる討議の結果、品質基準の策定に向けた場面がたびたび見られた。両委員が強調していたのは、食品の安全性は明らかに品質の基礎となるものであり、それについて交渉の余地は一切ないということだ。しかしながら、味・外見・利便性・価格・値ごろ感といったそれ以外の点については、大体において、市場が決定すべきことである。決定的に重要な点は、消費者がその情報でもって選択可能になるように、情報の透明性が確保されることである。
総括的な「農場からフォークまで」というアプローチは、あらゆる討議の基本であった。また同時に、討論の場に“食物連鎖”すなわち食品に関わるあらゆる段階からの代表者を巻き込むことができたのは、成功した点であったと言える。
討議の結果、具体的な行動は、大きく分けて、以下に述べる3つの分野のもと行われることになるだろう。
<農業>
農業は、食品の流れにおいて、非常に基本となる部分である。しかし、それだけではない。我々が農業をきちんと理解したいと考えるなら、農業が、各段階で品質を生み出す“食物連鎖”の鎖の1つであることをもっと、最大限に重要視するべきである。理由として、まず農業は自然のサイクルとともに行われる。次にEU全体の実に半分以上の面積を占めている。これが、農業それ自体の経済的比重をはるかに超えていることは、EUの住人にとって明らかである。そして、大部分の貴重な風景や、自然が残された居住環境というのは、農家の遺産として守られているので、そうした環境を守っていくことは、田園地区の世話人としての、農業が果たすべき重要な役割である。第三に、自然環境に影響される農業の損害と、天候の変化が引き起こす田畑へのリスクや価格の変動は、政策が介入する重要な理由の1つである。
多機能的な概念というものは、ヨーロッパの農業の重要な特徴を表しており、同時に社会の期待が反映されたものでもある。経済の一部門としての農業は、多方面にわたり、持続可能で、競争力があり、ヨーロッパ中に広がっているものでなくてはならない。また、田舎の環境を維持し、自然を守り、田園地区の活性化にとって重要なカギを握る能力も兼ね備えねばならない。これらの理由から、多機能性の中には、ヨーロッパ人が願う田園環境と農業を規定するのに必要な、ふさわしい政策というものが包含されている。したがって、目的は我々の農業がその役割を十分に果たし、取引のひずみが最小限に抑えられるような方法で、最大限に拡張できるような規定を施行することである。しかしながら、ヨーロッパの農業食糧セクターの競争力は、不可欠であるとみなされてきた。改良、調査、開発は躍動的で競争力のあるセクターを構成する要素として、欠くことができないものであった。
共通農業指針の第2の柱として、田園地区発展政策の強化はこの1年間の一連の討議において、最優先課題として指摘されてきた。様々な観点の中でも、不可欠で持続可能な解決を生み出す法律の規定は、田園地区発展政策の筆頭に掲げられている。加盟各国においても何度も話し合われ、さらに今回の最終討議においても、まださらに討議がなされるべきであると強調された。田園地区発展政策のもと、農家は環境保全型農業計画を導入するよう支援されている一方で、品質基準を強化する分野でも類似した計画が見込まれている。これらの計画は、オーガニック農業と連動し、多機能性をさらに強化し、小規模で伝統的な農家や生産者がビジネスとして成功する支援をすることとなるだろう。
この最終討議では、動物福祉基準も含めた、“社会的・経済的・環境的”に持続可能な農業の必要性が再び強調された。
<食糧政策>
ここでの現実的な課題は、公的な監査機関を含めた、全体的な「農場からフォークまで」の食品の流れにおける、消費者の信頼である。この流れは、安全で良質な食品を求める大衆を満足させる必要がある。
主な結論の1つとして、ヨーロッパ食品安全局(European Food Safety
Authority)の設立は、最大の優先事項であり、消費者の信頼を回復するための1つの手段であった。
さらに、食品安全白書で示された行動計画の、可及的速やかな完遂もまた、極めて重要である。食品の流れのあらゆる段階において、透明性というものは、消費者の信頼に強く訴えるために必要不可欠なものである。
調和のとれた食糧法へのアプローチは、ビジネス・消費者双方の観点から、EU域内市場の効果的な運営のためにも重要である。
最近の消費者は、自分たちが食べるものに関して、もっとたくさんの情報が欲しいと期待し、実際に要求もしている。これらの情報は通常、必須あるいは自発的なラベル表示という方法で行われている。しかし同時に、こうしたラベル表示は、どんどん複雑化し、わかりにくくなってきており、消費者にとって、情報を見つけ、読み、理解することがさらに難しくなっている。また、ラベル表示規定の施行と検査においても、より困難な状況が生じている。
加盟各国、消費者、産業界、小売業界それぞれの代表者の緊密な協力によって、できる限り簡素化するという観点で、ラベル表示法の評価に着手することは、欧州委員会の望むところである。当該食品とラベルの目的との妥当性と一貫性を、第一の焦点としたこの取組みは、当該食品の原材料および栄養価ラベルを完全なものにし、全体的なラベルの明瞭さを改良し、代替手段を通じて情報を提供するといった見直しをする機会にもなるだろう。
一連の討議の中の意見や議論から生じてきたこととして、様々なタイプの「食への要求」に関するさらに総合的な法的アプローチが採用されるよう提案された。このことについては、委員会は「栄養的レベル」「機能的レベル」「健康レベル」を網羅する法的な提案を準備する計画である。この件についてのさらなる協議は、利害関係者とともに着手される予定である。
討議の議題としてもう1つ着目されていたのは、食品への栄養添加であった。
栄養添加食品は、消費者ならびに製品の改良を望む産業界からますます注目を浴びている。消費者は健康にとっての栄養の重要性、またそれぞれの栄養の特別な役割について、ますます知るようになっている。こうした関心は認識される必要があり、栄養が添加されたものとして販売されている製品が、食餌法を豊かにするという意味合いで、消費者にきちんとした利点を提供できるということが保証されなくてはならない。この分野において、法制度が整えられていくことになるだろう。法律の確定に向けて、さらなる協議が重ねられる予定である。
一連の討議期間中に、そのほかに注目を浴びていた分野としては、認知度の低い食品、加工食品である。このテーマについては、近い将来協議内容を発行するよう、委員会は提案している。食糧政策と法律はまた、伝統工芸製品、バイオテクノロジー、オーガニック農業、持続可能な発展を含めた農業食糧セクターにおける別の形での改良を支援・奨励している。
<情報と相談、協議>
欧州委員会は、正式な協議のための新しい構造を作り上げること、ならびに現存する食品産業界との直接的なコミュニケーションラインを維持するという両方の観点から、利害関係者間のさらなる討議を望んでいる。
ヨーロッパ統治という枠組みにおいて、欧州委員会は協議と発展における関係者の関与、そしてEUの政策の進捗管理について大いに強調している。このことは、今述べたどの分野においても、特別法が必要となった際に、その評価をするのに役立つであろう。
農業、産業、流通各界そして消費者との対話に向けた委員会の役割を維持・強化する必要性が、この農業と食品に関する一連の討議を通じて特に強調されてきた。
この点について、委員会は近々、食料品と動物の衛生管理に関する、これまでの協議委員会を再編制するという提案を行う予定である。この新しい協議委員会は、食品の安全に関するあらゆる事項をカバーし、食品の流れにおける様々な段階で責任者となる、全ての分野との、機能的で包括的な対話と協議を保証することになるだろう。
この一連の討議が最終を迎え、この対話自体を今後どのように続けていくべきか、様々な見解が寄せられた。多くの提案は、食物の流れにおける協議をどのように改良するかということについて、前進させていくべきだというものだった。このことについては、前述の協議委員会が、間違いなく、大いに力を発揮することになろう。
個々の共同関係は、その仲間うちで、また消費者とともに協力関係を築き上げるために、食品の流れに関わる様々な関係者の間で発達していくであろう。さらに、EUの食品にまつわる消費者委員会によって、もっと定期的な討議が行われれば、それは有益であるだろうと考えている。我々は、欧州委員会によって組織された、農業と食糧に関する一連の討議が、今後の発展を考慮し、適切な進歩を促すために、例えば2年に1回というように定期的に開催されるべきだという提案に前向きである。
<背景>
この一連の討議では、地域的、地方的、そして地球規模的な食糧生産システムと、それらが生産者と消費者の関係に与える影響に関して話し合ってきた。この議論の目的は、さらに調査や討議が必要とされるテーマを見極めるということであった。これまで分析してきたテーマの中には、品質に対する価格についての消費者と生産者の反応、環境や動物の健康・福祉、社会的責任といった倫理的な面を重視する傾向などがある。
この一年あまりの間に以下の行動がとられた。
●農業と食品に関する戦略的な対話を開始する一連の討議がブリュッセルで幕を開ける
●その討議は、加盟各国で同様の円卓会議という形で続けられた。
●食品の品質、安全性、生産に関するインターネットによるチャット
●この分野における政策的役割を担うため、欧州議会との会議
●関連テーマのさらに詳細な点を検証するため、ヨーロッパ消費者委員会とミーティング
食品の品質は、ヨーロッパ消費者デーである2002年3月15日の主要テーマでもあった。ヨーロッパ中の消費者団体が、品質に関する計画について議論し、促進するためにこの機会を利用した。
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