まずは自己紹介から始めたいと思います。私はオーストリアのオーガニック認証団体であるオーストリア・ビオ・ガランティー社(Austria
Bio Garanie以下ABGと表記)で仕事をしておりますロナルド・ハメドルと申します。私は、こちらのABGで食品製造業者の検査・認定の仕事をしております。
今日はこれから、
・ オーストリアのオーガニック農業
・ オーストリア・ビオ・ガランティー社について
・ ABGの検査認証システム、特にABGによるJAS認証について
という3つのテーマについてお話させていただきたいと思います。
1) オーストリアのオーガニック農業
オーストリアでは現在約19,000戸の農家がオーガニック農業に取り組んでおり、その耕地面積は290,000haになります。ただし、オーストリアの農家規模は非常に小さく、1戸あたりの平均耕地面積は約15haです。また、大部分が山岳地帯において、乳牛あるいは肉牛の飼育を行っています。とは言うものの傾向としては穀物の栽培を行うオーガニック農家が増えています。
またオーストリアのオーガニック農業のもう1つの特徴として、オーガニック農家の80%がオーガニック農業者連盟の会員であるということです。そうしたオーガニック農業者連盟の中では、「ERNTE
fur das leben」という団体が最大となっています。このような農業者連盟に加盟しているということは、国が定めているオーガニック基準よりもさらに厳しい基準に従って生産しているという証明にもなっています。
オーガニック農家数が非常に多いのがオーストリアの特徴ですが、その反対にオーガニック製品を製造する製造業者の数は少なく、約800社程度です。
オーストリアにおけるオーガニック製品のマーケットについてですが、オーガニック製品の約90%がスーパーマーケット、しかもBilla、SPARという2つのスーパーマーケットでの販売に集約されています。
もう1つの特徴としては、直接農家から販売されるという点も挙げられます。こうした流通の中ではエコランドという販売組織があり、こちらを通して大部分の製品が販売されています。またこのエコランドは先ほど紹介したオーガニック農業者連盟であるERNTE
fur das lebenの子会社となっています。
オーストリアではオーガニック製品はかなりの割合で普及しており、市場は飽和状態にあります。そこでオーガニック製品を扱っている会社としては、国外に輸出をしたいという要望が高まっており、現在主要な輸出相手国としては、ドイツ、フランス、イタリア、イギリスとなっておりますが、将来的には日本もこの中に入ってくれればと思っています。
2) オーストリア・ビオ・ガランティー社について
ABGはEU指令2092/91が国内で採択された1993年に設立されました。株主としては、オーストリアのオーガニック農業者団体と、国外の認証団体などとなっています。ABGはオーストリアの認証団体ですが、国外にも支店を持っており、クロアチア・スロベニア・スロバキア・ルーマニア・ウクライナ・ハンガリーにおいても業務を展開しています。オーストリアにおけるABGの顧客数は、農家数が約1万戸、そして約600社の食品製造業者、輸入業者となっています。ABGでは、種から加工された食品に至るまで、一貫した検査・認証を行うことができます。
ABGの品質管理システムについてですが、ABGはオーストリアの連邦経済省からEUの基準EN45011に基づき、認可を受けています。また、連邦経済省、連邦社会省、EU指令2092/91の施行を担当する各州当局、そして欧州委員会から継続的な監査を受けています。
ABGが顧客に対して行うサービスについてですが、以下に述べる各指令と法律に基づき、検査・認証作業を行っています。
−EU指令2092/91(EUのオーガニック製品に関する指令)
−遺伝子組換え食品規定(遺伝子組換えを行っていないということを検査・認証)
−EU指令820/97(牛肉がEU指令に基づいて生産されているということを証明する、トレイサビリティのある検査・認証)
−JAS法に基づく有機JAS認証(2002年2月22日付、JAS登録外国認定機関となった)
3) ABGの検査認証システム、ABGによるJAS認証について
ABGによって認証を受けたいという食品製造業者に対して、ABGはまず申請書の提出を要求します。その業者がどのような形で製造を行っているのか、書面という形で提出をしてもらいます。そしてその書面をもとに、実際に製造者の現場に行って、JASの基準に基づいて生産されているかどうかのチェックをします。そのあと日本国の農林水産省の登録を受けると言う形になります。その次のステップとして、申請のあった製造業者内に独自に製造管理責任者というものを設けるというステップが入ってきます。最終的に検査に合格した製品に関して、JASオーガニック認証が与えられるということになります。
私どもABGがJAS認証を行った場合、どのようなメリットがあるかを述べたいと思います。まず日本向けの輸出オーガニック製品について、生産国において製造段階でJASオーガニックマークの貼付が可能になるということです。日本の消費者にとっては、自分が手にする食品がABGによってJASの基準に基づいて生産された安全な食品であるということを確認することができます。また、ABGが認証をしているということのもう1つのメリットとして、遺伝子組換え製品でないという証明もなされているということです。ABGの中には、その認証に関する団体もあります。こちらの団体は、遺伝子組換え製品でないと認証されたもののデータバンクとして、info.X.Genという名前のデータベースも提供しています。
さらにABGでは、種から生産工程、そして最終製品に至るまで、スムーズでしかもトレイサビリティのある検査を保証できます。またABGの要求する水準は非常に高いものであり、その安全性標準によって、消費者の方はもちろん、生産者や製品を製造する製造業者もそうした高い基準をクリアしているという保証を与えられるとともに、データベースを公開しておりますので、そのデータベースをご活用いただけるというメリットもあります。例えば、インターネットに接続していただければ、e−認証といったものをダウンロードしていただくこともできます。(注:ABGが認証した製品をデーターベース化し、インターネットで公開している。消費者はその製品が真正に認証されているかを知ることができる。)
また先ほども少し触れましたが、ABGは連邦経済省、食品に関する当局、そして欧州委員会によって継続的に監査、監督を受けておりますので、そういった点から見ても、ABGの認証が正確で透明性のあるものであることが保証されます。
最後になりますが、ABGはまたヨーロッパにおける大手認証機関とも提携関係にあります。例えばスイスのbio.Inspectra、ドイツのBCS、フランスのECOCERT、イギリスのSoil
Association、そしてハンガリーにおいてはABG独自の支店をもっていますのでそこと連携して業務を行っております。
これで私の話は終わります。ありがとうございました。