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質疑応答

Q1.田村講師に質問です。日本の有機化に貢献するために、オーガニックマーケットの創設に成功したEUの経験に学べということでした。思想を学ぶことは重要だと思いますが、輸入をどんどん促進することは、日本の有機化と相反するように思うのですが、いかがでしょうか。

A. 私は相反しないと思っています。理由として、ライフスタイルの選択を行う際、それは生産者だけの選択ではなく、消費者の選択でもあるからです。現在の食の状況として、国際化されており、日本のものだけを、という状況は既にむずかしくなっています。また、信頼性という意味で、日本は正直に申し上げて失敗国であると言えると思います。ですから、成功国であるヨーロッパの製品を知っていただきたいと私は思います。それは消費者・流通者・生産者、そして政府の役人の方々を含めた全ての方々に知ってもらいたい。そうすれば、日本国の政府がヨーロッパのように補助金を入れざるを得ないのではないか。そうして初めて日本での生産・製造がきちんと認知されるのではないか、私はそう考えております。

Q2.例えばBSE騒ぎなどを考えますと、確かに信頼を取り戻すためにもちゃんとした生産基準に基づいて生産されたものを手にとって、実際味を見てみなくてはということには賛成ですが、例えば、世界中の国で考えられている自給率の向上という面に関しても、そうして外国からのものを輸入することから始めることが、それにつながるとお考えなのでしょうか。

A. そうです。自給率ということをおっしゃいましたが、自給率とはなんなのか、ということです。現在日本では自給率という意味では、飼料をほとんど外国から輸入している状態ですから、ゼロに近いのではないかと思います。畜産を考えたときに、輸入したえさをたべさせるということは、農業生産行為ではなく、消費行為ですから、実際に自給するには、日本でオーガニックのえさを作って与えてはじめて生産になる、そこまで考えていかなくてはならないと思います。

Q3.@登録外国認定機関として農水省から認められたのは、現在オーストラリアだけであると聞きましたが、今後ヨーロッパなども登録する予定があるのでしょうか。A登録輸入業者として登録されることで、JASマークを貼付して市場に出すことができるわけですが、輸入業者が輸入できる国として、農水がいくつか指定していると思うのですが、具体的にそれがどこなのか、また今後増えそうな国などがわかれば教えてください。

A @まず登録外国認定機関について。これは、外国で活動している認証機関が、日本のJAS制度に登録され、外国においてJASの認定を行うことができる、そういう制度です。この制度の前提条件として、日本と同等の制度を持つ国として認められることが必要です。この日本との同等性が認められた国は、EU15カ国とオーストラリア、計16カ国だけです。これらの国の公的な機関が、日本の農林省に登録を行えば、自由に活動ができる、このように考えられていました。このあたりは非常に難しいことなのですが、昨年3月に同等性のある国を発表した後、農水省は具体的にどのような手続きが必要か、ということに対して当該国政府に明確な説明を行ってこなかったと私は認識しております。その間、ヨーロッパと日本との間で交渉が行われ、今年の4月までは現状のまま、しかし4月以降は実際に登録を行わなければいけないということになっているようです。
オーストラリアは在日の大使館内にこの件に関するプロジェクトチームを設け、日本の農水省が要求する全ての書類をきちんと日本語で揃えたことで登録されたということです。
ヨーロッパに対しては、日本との交渉の中で、申請書類については日本語で提出するが、その添付の資料類に関しては英語でもよい、ということだったのですが、それがどんどん変わっていき、最近ではほとんど全ての書類を日本語で、また4月以降は全ての書類を日本語で出すようにということになったようです。それでも何カ国かはこの要求に応じて、資料を全部整え、農水省に提出までこぎつけ、結果待ちという国もあるようです。その反面、イギリスのように、これに対するコストがかかりすぎるという理由から、国として出せないと言っている国もあります。
また、アメリカは先ほど申し上げた同等性もありませんから、ここの土俵にさえ上がってこられないという状態です。

A A証明書を発行できる国、というのが現在のところ先ほどと同様EU15カ国とオーストラリアとなっています。本国の政府機関が出した証明書をJAS認証団体の為の判定資料として提出することができるということです。これを提出すると必ず認定しなくてはならないというものではないのです。ここでもまたJAS制度のあいまいさが出ています。

Q4.先ほどのAについて、昨年末に聞いた話では現在では5カ国くらいだということだったのですが。

A. 対象が先ほど述べた16カ国だということですが、実際にそれを発行するかどうかということは、各国政府の判断に委ねられています。

Q5.ヴェルディエ講師の話では、ワイン用のオーガニックぶどうはあっても、オーガニックワインは存在しないということでしたが、EUにはオーガニックワインと言うものは全くないのでしょうか。また、それが日本に輸入されたとき、国税庁の見解ではオーガニックワインと呼べるということでしたが、農水省の見解ではどうなのでしょうか。

A. ワインに関しましては、EU全体のオーガニック基準と言うものがまだありません。これに関しては、フランスのオーガニックワイン連盟が基準を作成し、フランス政府を通じてEU全体としての基準提案を行っています。今現在フランスで作られているオーガニックワインは、その基準に従って作られています。その基準書をフランス農水省からいただいて、フランス大使館の方で翻訳してもらったものを国税庁に提出して、それを根拠としてオーガニックワインと名乗ってよいという承諾は、日本の国税庁から出ています。またフランスだけでなく、各国においてもそれに近い基準が法律レベルではないとしても行政指導などあるようです。

Q6.それではそうしたワインはEUではオーガニックワインとして販売されているのか、あるいはオーガニックぶどうを原料としたワインとして販売されているのでしょうか?例えばフランスではオーガニックワインと表示されているのでしょうか?またどんな国でオーガニックワインとして売られているのでしょうか?

A. 国によって違うようです。EUとしては、基準がありませんから、オーガニックワインとしては売られていません。フランスでもオーガニックぶどうを原料としたワインと言う表示になっています。私が自分で見たわけではないのですが、欧州委員会農業専門官のイギリス人の方とお話していたときは、イギリスではあるとおっしゃっていました。

Q7.ヴェルディエ講師の話の最後に出てきた価格についてです。例えばヨーグルトが一般商品の1〜2倍、牛乳が1〜4倍というお話でした。@このように非常にばらつきがあるのですが、こうした価格の開きがあるのはなぜなのか。Aまた私が消費者として考えるとき、有機の牛乳を買いたいと思っても、3〜4倍もするとなると、どうしても普通の牛乳に手が伸びてしまいます。これがどれくらいの価格になれば、消費者が買いやすくなり、有機商品の力がつくと考えますか?

A @一言で言うと、完璧な説明はできません。なぜなら価格のばらつきは一般の商品だけに限っても起こることだからです。日本でも例えば牛肉は290円のものもあれば、1380円のものもあります。簡単に言ってしまうと、ブランドがあると思います。例えばフランスのヨーグルト市場ではダノンやヨープレイトは人気がありますが、大きく宣伝もしていますし、価格は上がります。しかし、ブランドと言う理由も一部にすぎないと思います。
A A消費者がいくらくらいなら買うか、という話ですが、これはどういう層の消費者を狙われるかということになると思います。私は話の最後にクオリティコンシューマーという言葉を使いましたが、オーガニックとはどういうことかきちんと理解した消費者であるならば、2倍のものも負担してくれると思います。まあ3〜4倍となるとわかりませんが。これが何も理解していない方が、ただ健康にいいからというくらいの気持ちで買われるとなると、40〜50%増が限界なのではないかと考えます。ヴェルディエさんと少し意見が違うのですが、ブランドとは違ったところで、消費者の方がどこまでその商品に満足できるか、抽象的な表現になるのですが、そういうことではないかと思います。