| Q1.ABとは何ですか?
フランス語でAgriculture Biologique(Agriculture=農業 Biologique=有機、オーガニックつまりオーガニック農業)の略です。それをフランスのオーガニック食品を示すマークとしてABマークと呼んでいます。
注)ABマークの表示は認証された生産者の権利であり、義務ではありません。従って、ABマークを付けないオーガニック製品もあります。(Verdier)
Q2.本日の話で、オーガニック農業は環境の保護に貢献する、健康をより一層守るという考え方があるということはよくわかりましたが、実際問題として1つ100円で買える物がもし1000円するとなると、商品力は全くないということになってしまうかと思います。そこで例えばフランスではオーガニックの卵1個の値段は一般のものと比較してどれくらいなのか、またいくらぐらいを想定すれば競争力もあるとお考えでしょうか?
価格に関しては、オーガニック食品は一般の食品に比べてどうしても高くなります。それは化学肥料や農薬を使用しないことで、生産量が低下することと、多くの労働力が必要となるためです。それが価格に反映されてフランスでは大体20〜40%高い値段となっています。その値は商品によって違います。高価格の最大の原因は生産量がまだまだ非常に少ないということです。フランスの場合現在全生産量の2〜3%程度です。これが例えば10%、15%ということになってくれば、価格も一般商品により近くなるだろうと考えられます。ですから日本はまだ始まったばかりで、生産量が少ないのは当然ですから、価格にある程度大きな差があるのも仕方ないと思います。今後、生産が増加していくことで、価格が近づいていくことになるのではないでしょうか。
補足として、フランスを始めとするヨーロッパでは、政府の補助金政策があります。日本はそれが無いですから、オーガニック製品の生産や流通段階でおこるコストが全て価格に跳ね返ることになりますが、ヨーロッパでは補助金によってそれが少し軽減されているということだと思います。
ヨーロッパと日本では歴史的に見ても農業に対する取組みが違います。規模で言えば、アメリカやオーストラリアと違い、日本もヨーロッパも小規模であるということは似ています。土地の関係で大規模になれない以上、小規模のままでも農業が存続できるよう、保護することを考えねばなりません。付加価値をつけることで国の農業を守る必要があります。オーガニック農業は1つの付加価値です。そのために、国は補助金を出してオーガニック農業を推進しているのです。
卵の値段に関しては、私は日本での生活が8年にもなり、最近のフランスの商品の値段は正直申し上げてわかりません。さらに買い物の担当は私ではないので申し訳ないですがお答えできない状態です。(Verdier)(笑)
Q3.オーガニックで生産するとどうしても生産量が落ちると思うのですが、大体何%くらい落ちるものなのでしょうか?
それは生産物によって違いますが、大体30〜40%程度落ちるといわれています。それが価格に反映しているといってもいいでしょう。(田村)
Q4.それでは要約すると、オーガニック農業を始めると、生産量が30〜40%ダウンするが、価格は20〜40%増で販売することができ、認証費用相当額程度の補助金が支払われる、そういうことになるのでしょうか?
現在、主にヨーロッパの政府からの補助金は、一般農業からオーガニック農業に転換する際の援助として支給されています。それは、転換期間というのは、生産量がダウンする上に、オーガニックと名乗ることも不可能な不安定な期間であり、当然農家としては収入がかなりダウンすることになります。それを援助するために補助金を支給するのです。ですから転換期間を終えて、オーガニック農家となった後は、それぞれの農家の力で経営していかねばなりません。しかし、オーガニック転換した農家が、また一般の農業に戻るという例は、非常に少ないです。それはつまり、価格の差によって市場で競争力が低いように思われても、実際には大丈夫というか経済的にやっていけるということだと思います。現実的に、ヨーロッパのオーガニック市場は爆発的に大きくなっていて、需要に対して供給が追いつかない状態です。EU各国からはもちろんのこと、EU圏外からもオーガニック食品を輸入しているほどです。(Verdier)
Q5.個人的に環境を守るとか、自分や家族の健康のため、オーガニック食品を購入することが多いのですが、まだまだ非常に高価なものだという印象があります。そこでオーガニック先進国のヨーロッパでは、価格についても認証団体が適正価格というようなものをチェックしたりする機能があるのでしょうか?
そういうものはありません。価格のチェックというのはあくまで市場が行うものなのだと思います。(Verdier)
Q6.植物・畜産物それぞれ、特にどういったものがオーガニック生産される割合が高いのでしょうか?
野菜にせよ、果物にせよフランスで人気のあるものが多いです。例えばにんじん、りんご、 ぶどうなどです。畜産物では地鶏、卵が多く、最近は牛肉の生産も増えています。(Verdier)
Q7.本日のお話とは若干異なる内容かもしれませんが、日本でも最近ついに狂牛病が発生しました。フランスでは、それによって食肉の消費量がどれくらい減って、それは回復しているのか、あるいは回復する見込も無いのか、そのあたりを教えてください。
ご質問の内容は、狂牛病と食肉消費量の関係ですね?フランスの場合、発見された最初の例は1991年でした。その後ときどき新聞などでその話題が取り上げられて、危機的な状況が何度か起っています。つまりメディアで牛肉に関する事件を取り上げると、消費者に不安感がおこり、消費が落ちる、ということは何度か起ってはいます。これをメディア危機と呼ぶとすれば、直近のメディア危機はちょうど1年くらい前のことでした。そのときは牛肉の消費量が約40%ダウンしました。そして現在、約1年で消費量はマイナス5%まで回復しています。消費者の衛生管理に対する信頼がどんどん戻ってきて、ほぼ事件前くらいにまで回復していると言えるでしょう。(Verdier)
Q8.オーガニック食品は体にいいようですが、具体的にどういった点が良いのでしょうか?
オーガニック食品が体にいいとか、健康にいいとは言えないと思います。というのは、オーガニック農法が環境保護につながることは確かであり、農薬や化学合成肥料を使用しないということで、健康に対する安全度が増すであろうということは予測できますが、それが健康にいいということにつながるわけではないからです。そういう意味で、健康にいい、ということだけでオーガニックというものは普及していかないと思います。(田村)
Q9.JASで輸入認定業者の認証を受けていますので、外国政府が発行する書類を提出すれば、JASマークを貼付して有機と名乗ることができるわけですが、各国大使館に必要な書類を問い合わせてもそれぞれの国によってばらばらです。そういった情報をホームページに掲載していただくといったようなことはできないのでしょうか?
基本的にご質問のあった、ベルギー、フランス、イタリアの大使館というのは私達が準備したフォーマットを基本に考えておられます。このフォーマットはヴェルディエさんと私(田村)とが農林水産省に行って交渉してきたもので、何を証明するかということが書かれています。確かに大使館がそれぞれ独自のフォーマットを用意していることがほとんどですが、記載する内容としては、私どもが準備しているものと同様です。(田村)
各国によって、要求する書類が違うというのは事実ですが、共通して必ず必要だと思われる書類は、本国で発行された現地の認証機関が発行する証明書の写しです。それ以外のものは大使館によって若干の違いがあります。(土岐)
Q10.日本で認証を受ける際、大体どれくらいの期間、またいくらくらいかかるものなのでしょうか?
それは認証を受けたいカテゴリーによって違います。つまり、生産者・小分け業者・輸入業者といった、かなり細かい区分が各認証団体によって行われています。そうした区分ごとにかかる費用は違うようです。費用は、検査にかかる日数や、品目、検査員の出張旅費などがあり、各認証団体によって定められています。ですから、詳細はいくつかの認証団体に直接問い合わせていただくのが良いかと思います。(土岐)
目安の1つとして、輸入認定業者として認証を受けるのに、大体2〜3ヶ月、20〜30万円というのが最低でもかかるようです。(田村)
Q11.日本でエコサート認定を取った製品をスペインに輸出しているのですが、その際認定証のほかにエコサートの検査レポートなども要求されることがあります。先ほどの話では、例えばフランスで作られたものもそのまま、ドイツやスペインで流通するということだったのですが、私たちにそういった要求がされるのは、第3国だからなのでしょうか?
基本的にエコサートが認証をしたものであれば、スペインでも通用するはずですので、検査レポートが要求されることについては、なぜなのかわかりません。
少し変な気がします。(田村)
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